ローカライズを成功させるための5つのヒント

 
 

ローカライゼーションというのは単なる単語の翻訳ではありません。ローカライズをするというのは原文の意図を汲み取り、それぞれの言語を喋る顧客が深く共感できるメッセージを作り上げることです。

特に日本の顧客はかなり特殊であり、ただ翻訳して終われるほど簡単ではありません。

日本特有の言い回しや文化が多数存在するため、全てを理解した上でローカライズを行わない限り、日本人の顧客は不信感にかられます。

今回は、株式会社 TAMLOのローカライズ最高責任者、LinkedInなどでもトップボイスとして任命されている、ローカライズのプロ、Nanako Aramakiさんに、日本市場向けへのローカライズを成功させるためのヒントについて聞きました!

 

ヒント#1: 英語に自信をもっている日本人は少ない

実は、「人口のわずか10%が、自分の英語に自信が持てる」と答えています。

これから分かることは、日本人の多くが英文が読めないや苦手意識を持っているということです。よって、もしコピーが英語のまま場合は読んですらもらえません。

Google翻訳や優秀なDeepLなどの自動翻訳ツールに頼り、コンテンツを翻訳するのをローカライズしたとはとても言えません。

ただ翻訳されたコンテンツではなく、内容やニュアンスがしっかりと日本人向けになっているかを意識し、ユーザーの信頼を得るようにしましょう。

日本人の顧客を得るためには、まず効果的なコミュニケーションで信頼を構築するしか方法がありません。

 

ヒント#2 適切なローカライズ

ローカライゼーションはただ単語の翻訳ではありません。

物事がどのような意図をもって書かれているのかを理解し、それと同じ意味を持つ文脈、およびコンテンツを作成するのがローカライゼーションです。

このことを「トランスクリエーション - Transcreation」とも言います。

ホームページや資料などのコンテンツを日本人にとって違和感のない表現に直すのがローカライゼーションになります。これには文脈や言葉だけではなく、日本人の文化的なニュアンスなども考慮し、すり合わせるのがとても重要です。

例えば、英サイトでよく見かける「Read More」のボタンですが、これは直訳すると「もっと読む」になり、日本語だとかなり違和感があります。少し威圧的に感じる方もいるのではないでしょうか。

代わりに、「詳細はこちら」というフレーズを使用するとその違和感が消えます。

日本のユーザーにいかに違和感を感じさせないかが鍵です。

トランスクリエーション - Transcreation

トランスクリエーションは、正確な翻訳に意訳を加え、文によりインパクト、人を惹きつけれるように作成する事です。

 

ヒント#3 文章だけでは終わりません

実は、効果的なローカライズは文章のみでは終わりません。

ホームページのUI・UXを日本人向けに修正や、日本市場に合わせたサービスの調整も含みます。

特徴として、日本の消費者はデザインと顧客サービスに強い関心を持っています。

日本の市場で成功するためには、日本人が好むサービスと使いやすいUIを提供することが重要です。


例えば、多くの日本顧客は購入前に情報を集め、把握できた時のみに購入や利用を検討します。だからこそ、日本のホームページは一つのページにまとめて情報掲載していることが多いです。

それに比較し、欧米ではシンプルかつ無駄のないデザインが好まれる傾向があります。このシンプルなホームページをそのまま日本の顧客に向けて使うと、情報の足りなさで自社商品やサービスの利用を検討すらしてくれません。

このような文化的な違いがあるため、UI・UXなども各文化に合わせて調整する必要があります。

 

ヒント#4 プロに依頼する

日本語や英語が話せるスタッフは言語が喋れるだけであり、プロのコピーライターではありません。

コンテンツを専門家に添削や編集してもらうのが重要です。

プロが編集してくれることで、メッセージが正しく翻訳されるだけでなく、自社が利用したいトンマナを日本の顧客が求めている基準で伝えることが可能になります。

重要なので、もう一度言いますが、日本人や英語話せるスタッフは必ずもプロのコピータイターではありません。

ちゃんとプロのコピーライターを利用してください。

 

ヒント#5 ネイティブ・チェック

あなたのブランドを理解している日本人を探してください。

このネイティブの方に、日本人が読んだ時にコンテンツなどに違和感がないかを確認してもらいましょう。

ネイティブの視点は、言語の微妙なニュアンスを捉えるために重要であり、メッセージが意図した通りに伝わっているかを確認するためにも必須です。

コンテンツの最終的な仕上げと、自然な日本語が使われているかはネイティブの方に確認してもらうに限ります。

 

最後に

日本の成功を目指すすべてのビジネスにとって、日本市場に合ったローカライゼーションはとても重要です。

言語や文化の違いを理解し、コンテンツを適切にローカライズし、文面以上のところまで目を配らせ、プロのコピーライターを活用し、ネイティブチームのスキルを活用することで、顧客と効果的にコミュニケーションを取り、日本の顧客が共感、そして利用したがるサービスや商品を提供することができます。

株式会社 TAMLOのAramaki Nanakoさんが共有してくださったヒントを元に今一度、ローカライズ戦略を見直してみてはいかがでしょうか?


ローカライズの手助けが必要な場合は、こちらから株式会社TAMLOにお問い合わせください。

日本市場への参入や転職をお考えの場合は、お気軽にWahl+Caseにお問い合わせください。

ご連絡お待ちしております!

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IT職ガイドWahl+Case Team