旅人の価値を高める、すごい旅人求人サイト「SAGOJO」(後編)

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旅先で「シゴト」をすることで、企業から「リターン」を受け取り、社会の役に立ちながら旅をする。そんな新しい旅のスタイルをつくっている革新的な旅人求人サイト「SAGOJO(サゴジョー)」。代表の新拓也さんは、学生時代にアジアを旅して以来、その魅力に夢中になり、旅のWebマガジン『Travelers Box』を立ち上げます。その後編集者として、株式会社LIGにてクライアントのオウンドメディア運営やコンテンツ制作に従事。2015年12月、SAGOJOをスタートさせました。

また、2016年秋には、旅人だからできる、Instagramを用いた新しいプロモーションPicruiseをリリース。

旅や旅人の概念を変革するSAGOJOに懸けた想いに迫ります。

(前編はこちら

SAGOJOを軌道に乗せるまでに壁にぶつかった経験はありましたか。

新 拓也さん(以下、敬称略):今まさに、絶賛壁にぶち当たり中なんですが(笑)ありがたいことに、思いのほか旅人がたくさん応募してくださっています。時には5人の枠に60人ちかく応募がくることもあって。「応募したけれどチャンスをつかめない」という状況を少しでも改善するために、アサインできる求人枠の数を増やすことが、目下の課題です。その一環として、インスタグラムのプロモーション会社(※)など、相性の良い企業とのタイアップ企画などをスタートさせています。

※Instagram×旅人のタイアップサービス『Picruise(ピクルーズ)』

あとは、マッチングできる職種を多様化させることも大事だと思っています。現在、紹介している職種の中心は、記事の執筆や写真・動画の撮影といったコンテンツ制作ですが、海外の現地調査やバイヤーなど、コンテンツ制作以外の仕事も増やしていきたいですね。

もちろん、その仕事をおこなうこと、つまり旅先での経験がその人のキャリアアップにつながるかどうかは重要な条件ですが、できるだけ多くの希望者にサービスの価値を感じてもらいたいという思いがあります。

新たな職種を開拓するために、どんな取り組みをされていますか。

新:常に「旅×○○」という切り口で、世の中のニュースを見ているようにしています。「旅」や「海外」というと、つい国や地域の「おすすめスポット」などといった観光にまつわるコンテンツがイメージされがちですが、実は多種多様なテーマとかけあわせることができると思っています。例えば、海外のスポーツやグルメ、お酒、音楽……など、切り口は無限にあります。そこから着想を得て、新たな職種を考えていきたいなと。こうした取り組みが奏功して、最近では、バイヤーや営業代行の仕事がもうすぐリリースできるなど、これまでにないジャンルの求人も増えつつあります。

旅人のマッチングする職種の幅が広がることで、そのアウトプットや働いている風景を見た人が「こんな働き方もあるんだ!」と気づきを得て、職業観も変化していけばいいなと思っています。

オウンドメディア「すごい旅研究所」は、ブランディング効果も高いのではと感じています。自社サービスとのシナジーを生み出すために工夫されている点を、教えてください。

新:企業側にとって、「すごい旅研究所」は旅人の制作実績を確かめる場でもあります。このメディアを見て、旅人のアウトプットのクオリティの高さを示して、信頼度を高めてもらうと同時に、自社で旅人をどう活用してもらうかのヒントを得てもらいたいと考えています。一方で、旅人の読者に向けては、「旅×シゴト」の魅力や可能性の広さを発信して、「自分もやりたい」と思ってもらうこと、また実践するときのサポートになるアドバイスを伝えられたらと思っています。これまで遠くへ旅したことがなかった人も、このメディアを見てSAGOJOに載っている仕事への興味が湧いた、という流れをつくりたいですね。

旅人の地位を変えるという社会的な目標と、ビジネスとしての成功の両方を追求することで、相乗効果はありますか。もしくは折り合いをつけるべき側面もあるのでしょうか。

新:相乗効果になっている面がかなり大きいですね。SAGOJOでは、「旅人の価値を高める」「誰もが旅できる世界をつくる」といった社会的な目標や想いを、色々な形で発信してきました。それが読者にも伝わっているからこそ、応募してくださる旅人の仕事へのやる気やコミットメントが非常に高いのではないかと感じています。そういう意味で、社会的な目標を追求し、その目標に込めた想いもきちんとユーザーにシェアしていったほうがいいと確信しています。

ただし、折り合いをつけなければいけない面もあります。できるだけ仕事を依頼する旅人の報酬を高くしていきたい。しかし、そればかり追求してしまうと、SAGOJOを継続させるのに必要な資金とのバランスをどう保つか、という課題に直面します。この兼ね合いはおそらく答えの出ない難しい問題ですが、SAGOJOが持続可能な状態であることが、サービスの質を高めることにもつながるし、長期的にはユーザーである旅人にとってもメリットになるととらえています。

最後に、新さんの夢やビジョンを聞かせください。

新:長期的なビジョンは、「旅人の価値を高める」という世界観を現実にしていくことです。そのためには、旅人が「SAGOJOを使って仕事をすると面白い」と感じてもらうことが大事になります。そこで将来的には、ゲーミフィケーションの要素を何らかの形で加えて、旅人がSAGOJOを使ってミッションをクリアしていくような感覚を味わえるようにしたいですね。旅に出るときに「今日はどんな冒険が待っているんだろう?」とワクワクしてもらえるように。

また、今はクライアントの依頼に応えるという形がスタンダードですが、ゆくゆくは「これをやりたい」という旅人発の企画に、スポンサーがついて仕事になる、といった形態も増やしていけたらと考えています。

いずれは、海外の人にもぜひSAGOJOを使ってほしい。「将来、SAGOJOを使って旅したい」と思う子どもたちが、一人でも多くなれば、と強く願っています。世界を旅するワクワク感と、旅の持つ力をぜひ体験してほしい。何より、世界を自分の眼で見てきたからこそ、選択肢が広がり、他国の人の立場に思いを馳せ、世界を自分ごとにとらえられる子どもが増えていったら、この上なく嬉しいですね。理想は大きいほうが、可能性を狭めることなく、より大きな価値を生み出せると信じています。